玉城知事「性への偏見、自分にも残っているんだろうな」 政策への本気度を直撃


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ジェンダーに関する県施策などについて記者の質問に答える玉城デニー知事=県庁

 ジェンダーに関する施策を巡り、県行政トップとしての問題認識を聞いた、玉城デニー知事へのインタビュー。「ジェンダー平等」の実現に向けて試される玉城知事のビジョンや本気度について、インタビューした記者の視点や識者の分析も交えながら紹介する。

 女性の社会的地位の向上に積極的な玉城デニー知事。社会に根付くジェンダーバイアス(性に基づく差別や偏見)の解消に向けた行動の必要性を訴えた。ところが、記者が「知事にもジェンダーバイアスを感じる場合がある」と事例を挙げると、戸惑いを見せながらも「バイアスがまだ残ってるんだろうな」と認めた。

 昨年、午後9時ごろに閉会した那覇港管理組合議会の取材に女性記者が来ていたのを見た玉城知事は、男性記者らに「女性を遅くまで働かせてはいけないよね」と述べ、気遣いを見せた。

 ただ記者は「男性は外で働き、女性は家事・育児が仕事」とのジェンダー感に基づく言葉だと感じたため、インタビューで例示した。玉城知事は「女性特有の生理的機能があるので、無理をさせたくないという気持ちが自分の中にあるのは間違いない。男は『多少無理してでも』ってね。でもやっぱそれもまたバイアスなんだろうな…」と困った顔を見せた。

 玉城知事は釈明を続けた。「自分の中で無理が利く程度であれば、ちょっとサポートしてあげたい気持ちがある。例えば(自分は)台所に立つのが苦じゃない。かみさんが、料理を作っている時に『なんか俺やることある?』って普通に声掛けをしますし」。玉城知事は2018年の就任後、ジェンダーと平和行政を担う「女性力・平和推進課」を女性職員が多い子ども生活福祉部内に設置した。だが故大田昌秀県政下の1992年には、知事部局の中で筆頭部局だった総務部知事公室に「女性政策室」が置かれており対外的にはジェンダー政策は後退しているようにも映る。

 子ども生活福祉部に設置した理由について「女性が生命を宿したときに、母子手帳が交付され、その子が独り立ちするまであらゆるステージでしっかりと支えられるような仕組みを作りたい。そういう観点で考えると、土建部や企画部に置くよりも、生き生きと働いていくと思う」と説明した。
 (梅田正覚)

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