オリオン早瀬社長が退任 就任2年「一身上の都合」 後任は当面空席


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早瀬京鋳氏

 オリオンビール(豊見城市)の早瀬京鋳社長は29日、オンラインで記者会見を開き、自身の退任を発表した。同日に開催された株主総会で承認された。退任理由について、早瀬氏は「2年の任期満了をもって、一身上の都合により社長兼CEOを退任することになった」と話し、グループ社員や関係先、消費者の県民に感謝した。同社初の外部出身の経営者として2019年に就任。主力のドラフトビールを刷新するなどし県内シェア55%の回復を目標に掲げていたが、道半ばで退くこととなった。

 会見では、新たな役員体制も発表した。早瀬氏の後任は当面空席とし、その間の経営運営体制を推進させるため、取締役専務執行役員・CMOの吹田龍平太氏を代表取締役副社長兼執行役員副社長CMOに、取締役常務執行役員CFOの亀田浩氏を代表取締役専務兼専務執行役員CFOにそれぞれ昇任させた。

 1957年に創業したオリオンビールは2019年、野村ホールディングスと米投資会社カーライル・グループの子会社に買収され、早瀬氏は同年7月、社長に就任した。

 主力商品のザ・ドラフトに伊江島産大麦を使用してリニューアルしたほか、県産素材を使った酎ハイブランド「ワッタ」を展開。新ジャンルのハードセルツァー飲料「ドゥーシー」の発売や、他企業との共同企画などでも話題を集めた。

 一方、飲酒問題へ対処する必要があるとして高アルコール度数の酒類から撤退するなど、企業イメージの再構築に努めた。

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