14日に沖縄県が発表した新型コロナウイルスの新規感染者は83人で、先週の同じ曜日を25人上回った。インド由来のデルタ株が急拡大していることも判明した。玉城デニー知事は同日夕、急きょ記者会見し、感染再拡大への強い危機感を表明。来県自粛と県民一丸となった対策を強く訴えた。
緊急事態宣言の延長からわずか3日目で新規感染者が増加に転じた。玉城知事は「リバウンドが懸念される。ここで増加傾向に転換し、再び感染急拡大となれば、緊急事態措置の解除は困難となってしまいかねない」と危機感を示し、「新型コロナ対策は一部の方々の感染対策では抑え込むことはできない。県民の皆さん一丸となった取り組みが必要だ」と訴えた。
デルタ株の急拡大に「県内で置き換わりが進めば、これまでにない感染拡大を引き起こしかねない」と、強い警戒感を示した。
14日に公表されたクラスター4件のうち、2件は飲食店で、時短要請に応じず酒も提供していた。玉城知事は、会食2回以上で約2・5倍、飲酒を伴う場合は約5倍に感染リスクが高まるという国立感染症研究所の報告を挙げ、休業要請に応じない店を利用しないよう求めた。
県外の人々に対しては来県自粛を求めた。「帰省も含めて、沖縄に来ることは自粛してください。仕事などでやむを得ず来県する場合でも、必ず事前のPCR検査か、抗原検査を受検してほしい」と述べ、15日から羽田や伊丹、福岡などで始まる空港での無料検査の利用を呼び掛けた。
一方、水際対策の実効性を高めるための行動として、航空会社への要請は予定しておらず「企画部に指示を出したい」と述べた。
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