内外を使い分けた配球と、打者のタイミングを外す変化球で中部商の米須武瑠が知念の猛追を振り切った。
初回から130キロ台後半の直球に、手前で急激に落ちるスライダーを交え打者を手玉に取った。際どいコースを突く丁寧な投球で、被安打3の12奪三振で完投した米須は「チームを勝たせるための強気のピッチングができた」と右肩をさすり、納得の表情を浮かべた。
序盤は決め球のスライダーを軸に組み立てた。一方、中盤以降は「捉えられ始めた」と、フォークなどを軸にした配球に変え、知念打線を寄せ付けなかった。9回2死一塁、知念の最後の打者には3球すべて直球を投じ、見逃し三振。「カウントを優位に進めながら、三振を取れてめっちゃうれしかった」とマウンドでぎゅっと拳を握った。
春は負傷で離脱。2回戦で沖尚に延長十一回の末、3-4で負けた試合をもどかしい思いでスタンドから見ていた。「自分が投げていたら(勝てたかも)、と仲間に言われ夏は絶対に(沖尚に)勝つ」と誓い、低めの投球を意識し投げ込んできた。
「因縁の相手」との決勝に「気を引き締め、自分たちの野球ができれば勝てる」。雪辱を期す一戦に闘志をたぎらせる。
(上江洲真梨子)
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