【中城】小児がんでまれな「腹膜悪性中皮腫」で闘病し、東京都の病院で4度目の手術を終えた小学5年生、金城楓空(ふうあ)さん(11)=中城村=が7日、帰沖した。同い年の親友(11)がサプライズで那覇空港で出迎え、手作りの金メダルを楓空さんの首にかけ「頑張ったね」とねぎらった。メダルは闘病の不安を友情で乗り切ってきた証のように輝いていた。
2人は保育園児からの親友だ。2人とも左利き、好きな洋服の好みも同じで息が合う。学校は別々だが一緒にアニメを見たり、弁当を作ってピクニックしたり、ヘアドネーション用の髪を切ったりしていた。
しかし楓空さんの病気が2年前に判明し、親友はショックを受け泣くこともあった。それでも交流を続ける中で、楓空さんが「死ぬのかな」と弱音を吐いたことがあったが、「『死ぬと思っていない』自分のことを信じないと」と返した。入院中も1日に何時間でもビデオ電話で交流を続けた。
互いにサプライズで、東京にいるはずの楓空さんが自宅を訪れたり、東京にいる楓空さんに会いに行ったりするなど絆を深めた。楓空さんは、国内で過去に例のない大きな手術を何度も乗り越えた。
親友の母親(47)は「楓空さんの頑張りは多くの人に勇気を与える。これからも2人で仲良く成長していければいい」と願う。金メダルと楓空さんの写真付きカチューシャを受け取った楓空さんは喜んでいたという。親友は楓空さんを「家族以上」と話し、将来の人生計画も一緒に立てている。
楓空さんを支援する「ふうあの会」は、楓空さんを支える親友に感謝している。同会によると、楓空さんの健康状態に異常はなく、今後は琉大病院で半年に一回経過観察をするという。
(金良孝矢)
▼楓空さん「しゅじゅつは怖いですが、元気になって帰ってきます!」