校則「地毛証明」廃止へ 県教委「人権侵害に当たる」と指摘 県立高校の校則調査


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 県教育委員会は、染髪やパーマなどの校則違反者と区別するために、頭髪が生まれつきのものであることを証明する「地毛証明」の提出について、本年度中に廃止させることを検討している。10日、県教育庁県立学校教育課担当者は「地毛証明の提出は人権侵害に当たるため、廃止を求める文書を出すことを検討している」と本紙取材に明らかにした。

 提出義務17校 任意26校

 県教育委員会はこの日、県立高校(全日制課程)58校に初めて実施した「校則見直しに関する調査」の結果を公表した。「地毛証明」の提出を義務付けている学校が17校(29・3%)あり、任意の提出を求めている学校の26校(44・8%)と合わせて43校(74・1%)だった。「地毛証明の提出を求めていない」は15校(25・9%)だった。

 2018年に本紙が実施した調査によると、県立高校60校のうち52校(86・7%)が地毛証明書を提出させていた。

 過去には大阪府立高校の元女子生徒が、茶髪を黒く染めるよう繰り返し指導され精神的苦痛を受けたとして、府を相手取り裁判を起こした事例もある。

 調査では「人権上および社会通念上、妥当かどうか判断が難しい校則について、見直しを行ったか」についても質問した。「見直しを行った」学校が37校あり、「見直しを検討している」が21校だった。

 県教委は6月18~30日に調査を実施した。質問項目は「地毛証明」のほかに、「頭髪のツーブロックを認めているか」「制服の選択は可能か」「制服選択を校則などの内規に反映されているか」の計5問。


「校則データベース」では、沖縄県内の県立高校68校の校則を掲載しています。検索機能もあります。

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