若年層で際立つ新型コロナウイルスの感染者。背景にはワクチン接種率の低さが指摘されており、県や専門家からは若者の“抵抗感”を強調する声が聞こえる。ただ、実際に接種率が低い20~30代を取材すると、一部にワクチンを「打たない」と明言する人もいたが、突出して多くはなく、むしろ肯定的な意見が大半を占める。自治体の接種計画で後回しにされた実態もあり「『若者が』と一方的に言うのは責任転嫁でしかない」と指摘する声も上がる。
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ワクチン接種に関して琉球新報の取材に答えたのは25人。性別は男性13人、女性12人で、年代別は20代18人、30代7人。地域別は那覇5人、南部12人、中部5人、先島2人、県外1人だった。
「打たない」などワクチンに対して否定的な意見は4人で、副反応への不安が主だった。県は因果関係は不明としているが、ワクチン接種後の副反応が疑われた人の中に、死亡した事例もある。「接種後に死亡した人の話も聞く。疑問が残る」(八重山20代男性)との指摘もあった。
ただ、大半は「接種済み」「打ちたい」などで、13人が肯定的に捉えていた。中には「打つつもりはなかった」(南部20代女性)「副反応の不安もある」(那覇20代男性)と消極的ながらも、感染拡大防止や重症化のリスクを低減させるために接種すべきとする意見もあった。
若年層の接種率の低さがクローズアップされる中で「一方的に言うのは責任転嫁でしかない。準備されているのに打たない中年層の方が問題では」(那覇20代男性)と、若者に責任を押しつける雰囲気に嫌気が差している人もいた。実際は、複数の自治体で若年層の接種順序が後回しにされており「打ちたいけど予約が取れない」(南部20代女性)という。
県の広域ワクチン接種センターの予約は予約率100%超が続いており、接種券が届いてもすぐに接種できない状況もある。
結果的に接種まで時間がかかり、いろんな意見に触れたことで「どちらの意見も聞いて迷っている」(中部20代女性)など、「迷っている」と答えた人も7人いた。長く待たされる中で、ワクチン接種に対する意見が揺れる様子もうかがえる。
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