【独自】金秀Gが自民候補支持へ 「オール沖縄」から転換 衆院選で経済重視


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翁長前知事(右)を支持してきた金秀Gの呉屋会長=2017年5月

 金秀グループ(呉屋守将会長)が次期衆院選で、自民候補を支持する方針を固めたことが14日、分かった。翁長県政誕生に尽力し、辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」を経済界から支える代表的な企業グループだったが、立場を大きく転換することになる。呉屋会長は14日、琉球新報の取材に応じ「基地反対のテーマだけでは沖縄の未来は開けない」と述べ、経済発展や沖縄振興の推進に向けて自民党候補の支持に回る考えを示した。

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 呉屋会長によると、オール沖縄の候補者と面談した際に「支援できない」との意向を伝えた。衆院沖縄1区は、自民現職の国場幸之助氏を支持する方向で調整している。2~4区の対応についてもグループ内で今後検討する考え。

 取材に対し呉屋氏は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設については「昨年の県民投票で7割の反対が示されている」として、反対の民意は出ているとの認識を示した。その上で「今後は沖縄の経済発展や沖縄振興について、経済界の立場でどの候補者がふさわしいのかを考えたい」と語った。

 呉屋氏は2014年の知事選で故・翁長雄志知事の選対本部長を務め、保革を取り込んだ「オール沖縄」の誕生に尽力した。翁長県政誕生後は「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」の共同代表を務めていたが、18年2月に辞任。翁長氏の死去に伴う18年の知事選以降は、玉城デニー知事の後援会会長を務めたものの、20年9月に辞任し、事実上、オール沖縄との距離をとっていた。
 (池田哲平)


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