沖縄県によると、21日午後4時20分ごろ、伊江村の伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練中に米兵2人が提供区域外に降下した。伊江村から連絡を受けた沖縄防衛局によると、1人は伊江村西江前の畑地、1人は村川平の海岸沿い砂浜に降りた。落下地点のうち1カ所はフェンスから約200メートル、もう1カ所は約1・2キロ。
防衛局によると、人的・物的被害は確認されていない。県は22日、防衛局や在沖米海兵隊に原因究明と再発防止に万全を期すよう要請した。
島袋秀幸村長は22日、本紙の取材に「これまでも悪天候時の訓練中止や安全管理の徹底を求めてきたが事故が繰り返され遺憾に思ってる」とし、24日に防衛局を通して米軍に抗議する方向で調整を進めている。
防衛局も米側に遺憾の意を伝え、迅速な通報や原因究明、適切で実効性のある再発防止策を求めた。「このような事故の発生は重大事故にもつながりかねず、地元の皆さまに不安と懸念を与えることはあってはならない。米軍に対する信頼関係を損なうような事件・事故はあってはならない。引き続き防止に取り組む」と述べた。
米軍は伊江村で兵士や物資をパラシュートで降下させる訓練や、重量物の投下訓練を繰り返している。たびたび区域外に兵士や物資が落ちる事故が発生している。2019年4月にはフェンスから100メートル余り離れた畑に、同10月には2日連続で提供区域外に米兵が降下。20年1月には、パラシュートと砂袋入りの箱が区域外に落下した。
■知事「看過できない」
米兵2人が提供区域外に降下した事故を受け、玉城デニー知事は22日、本紙の取材に「民間地に降りたというのは看過できない」と危機感を示した。
県は22日、沖縄防衛局と在沖米海兵隊に「直接的被害は確認されていないものの、重大な事故につながりかねず、周辺住民に不安を与えるもので遺憾」と口頭で抗議した。