月経カップ、布ナプキン…どう使えばいい?産婦人科医に聞いた


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
いろいろなメーカー、サイズの月経カップ。見本を手に取ることができる=9日、沖縄市の産婦人科ゆいクリニック

 思春期から更年期までの長期にわたり、ほとんどの女性は避けては通れない生理(月経)。日々の生理用品や、生理痛など月経困難症の治療も多様化し、対応への選択肢は増えている。産婦人科医は「しんどい状態を我慢しなくていい」と、生理用品の選択や医療機関への相談を呼び掛ける。

 沖縄市の産婦人科ゆいクリニックの受け付けにある棚には、白やピンクの小さな釣り鐘のようなものが並ぶ。膣に入れて経血をためるシリコン製の月経カップだ。ネットや雑誌で話題に上るが、県内で実物を目にすることは少ない。このクリニックでは見本として展示し、手に取って大きさや質感を確認できる。窓口の職員は「『使うとどんな感じ?』とよく聞かれる」と言い、関心は高いようだ。

>>月経カップ、記者も体験してみました

 島袋史院長によると、生理時の痛みやかゆみ、日常的なおりものなどに悩む人は多く、中には生理用品に変えることで症状が改善する人もいるという。使い捨てのナプキンやタンポンが肌に合わない人もおり、これらの代わりに布ナプキンや月経カップを提案している。

展示する月経カップと吸水ショーツを手にする島袋史医師=9日、沖縄市の産婦人科ゆいクリニック

 ただ、島袋院長の娘も高校生の時に月経カップを購入したが、うまく装着できず使用を断念したという。「まずは小さめのサイズで試してみるのがいい」と勧める。

 生理に伴って身体的・精神的な不調が出る人も多い。生理前の不調は月経前症候群(PMS)、生理痛などは月経困難症として保険適用で治療が可能だ。症状の程度に基準はなく「『このくらいなら』と我慢しなくていい」と島袋院長。特に「学校や仕事を休むほどの痛みや経血の多さは異常」と指摘する。

 また「症状が出るのは体のバランスが崩れているサイン」として食事や運動など生活改善を重視するが、本人の希望や体質によって即効性があるピル、長く服用する漢方薬、子宮内避妊具として知られるミレーナなど選択肢はあるという。

 「受診するようなトラブルだと認識していない人も多いが、治療で楽になる人は多い。さっと相談して楽になって」と話し、自分で「しんどい」と思う人は、受診を呼び掛けた。

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