カップとショーツで不安解消、ごみ削減に~記者も使ってみました


この記事を書いた人 アバター画像 田吹 遥子
憂鬱な生理用品期間。記者は月経カップと吸水ショーツを試してみた

 生理との付き合いはすでに30年。体がだるくてお腹も痛くなって、トイレに行くのも面倒な上に、とにかく服を汚さないようにと、あれこれ気を遣う。憂鬱な時期を少しでも快適に過ごせるならと、月経カップや吸水ショーツを試してみた。

 月経カップは、シリコン製のカップを膣の中に入れて、経血を溜まったら取り出して流すというものだ。鈴のような形をしたカップを縦に折り曲げて膣の中に押し込んで装着する。タンポンやナプキンのように取り替えることがないのでごみも出ない。これまで嫌なにおいのするごみのような存在として扱ってきた経血だが、カップにたまった状態で見たのも初めてで「これが私の…」と見入った。

 最初の2、3カ月は休日に自宅にいる時に風呂場で洗って使っていたが、慣れてくるとトイレで経血を流してティッシュでふいてから再度装着できるまでになった。布ナプキンと併用し、市販のナプキンをまったく購入しなくなった。

多様になった生理用品(イメージ写真)

 次に下着の通販サイトと女性芸人が開発した吸水ショーツも試した。本当に大丈夫なのか、不安もあったが出勤日に試してみることにした。見た目は普通のショーツと変わらず、股の部分に厚手の吸収パッドが縫い付けられて肌にぴったりと添う設計だ。 

 着用は1日12時間が目安という。それでも生理中に一番不安になる「いすから立ちあがる瞬間」には、念のため何度かトイレに確認に行った。多い日も漏れたり汚れたりすることはなかった。

 黒いショーツのため、経血はどこに消えたのかと不思議だったが、帰宅後に洗濯のために洗面器のお湯に浸すと真っ赤に染まった。洗って何度も使えるので、夜に洗濯して乾かし、夜寝ている時は月経カップを使った。

 この快適さはもう手放せないと感じるが、店頭ではなかなか買えないので、ネット通販で購入した。さらに価格は、どちらも5千円程度したので手軽に買えるとは言いがたい。手頃な価格で普及するまで時間がかかるかもしれないが、これからの世代の生理が少しでも快適になるように、生理用品の選択肢が広がってほしいと願う。(慶田城七瀬)

【関連ニュース】

▼月経カップどう使えばいい?産婦人科医に聞いた

▼生理の貧困「知られたくない」トイレットペーパーで代用も

▼汚れる下着、選べないナプキン「一体だれに相談すれば」

▼生理の貧困 社会の「タブー視」が隠すSOS

▼「エンパワメント・ラボ」発足へ フェミニズムの視点で学び合い