「沖縄そばの日」コロナ禍の逆転戦略は? 純血アグー使用の高級そば @なぎいろ(那覇)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
首里東道Dining@なぎいろが発売した高級アグーソーキそばセット「鳳と凰」(提供)

 17日は「沖縄そばの日」。沖縄の日本復帰後、そば粉を含まないにもかかわらず「沖縄そば」の表示は問題があるとして、公正取引委員会が物言いを付けたことに対し、沖縄生麺協同組合が名称存続を求めて運動した結果、1978年10月17日に「沖縄そば」の呼称が認められたことに由来する。県民のソウルフードとして愛されてきた沖縄そばだが、沖縄生麺協同組合によると、加盟事業者の2020年度の生麺出荷数は前年度に比べ2割以上減少したという。新型コロナウイルスの影響による観光客の激減、飲食店の休業や時短営業で消費が落ち込む。そうした苦境下でも、高級化や販売方法の拡大などに取り組む飲食店を紹介する。

 琉球料理の商品化などに取り組む首里東道(トゥンダー)Dining(ダイニング)@なぎいろ(那覇市、伊波良子代表)はこのほど、高級アグーソーキそばセット「鳳(ほう)と凰(おう)」を数量限定で発売した。琉球在来黒豚の純血アグーを使ったソーキとスープに、県産小麦全粒粉入りのオリジナル生麺を加えた。昨年から琉球料理「首里のおもてなし」シリーズを発売しており、同商品は第1弾の「なぎいろの元祖首里味噌ラフテー」に続いて第2弾となった。

 沖縄食材にこだわったレストラン「首里東道Dining」を本業としてきたが、2019年の首里城焼失で来店予約のキャンセルが相次ぎ、20年に新型コロナ感染拡大が重なった。

 飲食店の収入が大幅に減少する中、事業存続のために昨年、首里大中町に加工所を立ち上げた。レストランで人気の琉球料理を中心に商品化するほか、首里城の再建支援にも力を入れた。

 伊波代表は「沖縄の食文化を全国に知ってもらいたい。ぬちぐすい(命薬)を届けるため、添加物を使用しない琉球料理の商品化に取り組んだ」と話した。

 ソーキそばセットの「鳳と凰」は、金城アグー(今帰仁)が飼育する琉球在来黒豚アグーのソーキとロースを煮付けるほか、スープ用の豚だしにも使用している。オリジナル生麺は北海道産小麦粉と県産小麦全粒粉をブレンドし、もっちりした食感が味わえる。

 1箱3食分入りで、価格は9480円。ECサイトで販売しており、11月初旬から那覇市のデパートリウボウでも購入できる。問い合わせは首里東道Dining@なぎいろ(電話)098(975)7832。


 

【関連記事】

▼沖縄そば29店! 地元記者が那覇のマチグヮーで食べ歩いてみた

▼92歳で現役「元祖ソーキそば」生みの親の秘話 我部祖河食堂の金城さん

▼「沖縄そばの日」逆転戦略は?(その2) ギョーザとの2トップで県外にも 東江そば

▼沖縄そば料理長はロシア出身エカテリナさん 「無添加すっきり」自慢のスープ

▼沖縄の「ちゃんぽん」は麺じゃない! 地元カメラマンのおススメ3店

▼「あちこーこー」島豆腐ピンチ 国際新基準に苦しむ業界

▼首里高生のソウルフード 食堂「純」が愛される理由<高校前メシ>