米軍北部訓練場の周辺に希少チョウ 2種が元気に飛び回る


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アメリカハマグルマにとまるリュウキュウウラボシシジミ=10月1日、東村高江
タチアワユキセンダングサに止まるリュウキュウウラナミジャノメ=10月1日、国頭村安波

 【東、国頭】米軍北部訓練場周辺(国頭村、東村)では、準絶滅危惧種の希少なチョウ「リュウキュウウラナミジャノメ」と「リュウキュウウラボシシジミ」が元気に飛び交っている。チョウ類研究者の宮城秋乃さんによると、2種類のチョウは9月ごろから11月ごろにかけて多く姿を見せる。訓練場のメインゲート前にもよく現れるという。

 10月初旬、国頭村安波の森林で元気に飛び回るリュウキュウウラナミジャノメを数匹確認した。同種は沖縄島中北部と慶良間諸島のみで生息が確認されている固有種。東村高江では、国内で北部と西表島で生息が確認されているリュウキュウウラボシシジミが、アメリカハマグルマなどの花に止まる様子があった。

 チョウを探していると、森の奥からホントウアカヒゲの鳴き声も聞こえ、リュウキュウアオヘビにも遭遇した。一方少し視線を移すと、砂利道のそばには、米兵や日本人が捨てたとみられる廃棄物もあった。宮城さんは「訓練場周辺には貴重なチョウがたくさんいるが、人間の手によって脅かされている」と懸念した。


 

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