【一覧表】沖縄の若者接種率が低迷 4~5割台の自治体も 理由「わからない」


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 沖縄は7日までに、新型コロナウイルスワクチンの10月末時点の市町村別・年代ごとの接種率を公表した。1回目の接種率をみると、40代以上では全ての自治体で7割を超えた一方、10代と20~30代で4~5割台の自治体もあった。県は10月末時点で7割とすることを目標としたが、若年層の接種遅れが響き、接種率が6割前後で伸び悩む「7割の壁」を脱せずにいる。

「7割の壁」脱せず

 統計によると、10月末時点で10代~30代で6割を下回ったのは沖縄市とうるま市、北谷町の3市町。糸満市は10代で47・80%、宜野湾市は20~39歳で59・41%となるなど、中南部都市圏で若年層の接種率が低かった。県によると、1日当たりのワクチン接種人数は9月1週目の平均9千人から、10月末には1200人程度に減り、接種スピードは大幅に鈍化している。

 全国平均は若年層でも7割を超えた。沖縄で伸び悩む理由について県関係者は、夏場に県内の感染状況が急速に悪化し、接種の一翼を担う地域の中核病院が患者の受け入れで手一杯となったこと、若年層の人口が多いことなどを指摘する。しかし「(原因は)はっきりとは分からない」という。

 若年層の接種率を高めるため、接種を担う市町村も新たな取り組みを始めた。うるま市、沖縄市、北谷町、北中城村の4市町村は5~7日、北中城村のイオンモール沖縄ライカムで、那覇市は7日にサンエー那覇メインプレイスで、事前予約無しで接種を受けられる会場を設けた。那覇市は10月中旬に、接種勧奨はがきを未接種者に送付するなど、各自治体は未接種者の掘り起こしを進める。

 県も県民を対象とした広域接種の継続を決めた。玉城デニー知事は4日の会見で、若年層には「副反応に対する拒否的な考え方を持っている方も少なくない」とした上で、ワクチン接種で重症化予防などにつながると強調。会員制交流サイト(SNS)などを通じて情報発信を続けるとした。


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