米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイからステンレス製の水筒が落下した。現場は沖縄県宜野湾市野嵩の住宅街。落下時の衝撃を物語るように、つぶれて原形をとどめていなかった。地域住民は「人に当たっていたら…」と驚き、恐怖した。一方、空では落下事故がなかったかのように24日も米軍機の飛行訓練が行われた。復帰前から事故が繰り返され、「再発防止」の誓いは形骸化している。市民からは「わたしたちの命が軽視されている」と、怒りの声が上がった。
「バン!」。23日午後6時すぎ、宜野湾市野嵩2丁目の住宅街で衝撃音が響いた。路上に落下し、跳ね返った水筒が民家の玄関先で見つかった。底は破裂し、側面部も激しくへこむ。水筒の破片が通りに散らばっていた。
米軍普天間飛行場から約200メートルの距離にある現場は閑静な住宅街で、休日になると散歩する人や外で遊ぶ子どもたちの姿も見られる。
敷地内で水筒が見つかった家に住む女性は、帰宅した午後11時ごろに、玄関前で落下物に気が付いた。中には、水が残っていた。見たことのないステッカーが貼ってあり、破片の様子から「外国のものに違いない。空から降ってきたかも…」。すぐに知り合いの市議に連絡を入れた。
23日は、勤労感謝の日で祝日だった。この日も米軍は午後10時20分に普天間飛行場に着陸するなど、航空機騒音規制措置(騒音防止協定)で制限されている午後10時以降に夜間飛行を行っていた。
「通行人や車などに当たっていたら大変なことになっていた」。住民の女性は不安そうに話す。翌日駆けつけた市議も「大きな水筒だったので、被害がなくて本当によかった」と胸をなでおろした。
24日は警察や報道関係者が朝から駆けつけ、閑静な住宅街は騒然とした。
女性は「二度と同じようなことが起きないようきちんと調査しほしい」と訴えた。その合間にも、市街地上空をCH53E大型輸送ヘリやオスプレイが飛び交っていた。