23日午後6時45分ごろ、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが離陸時に、沖縄県宜野湾市野嵩の民家敷地内へステンレス製の水筒を落下させた。宜野湾署などによると、24日時点でけが人や、物的損害は確認されていない。住宅地の真ん中で発生した落下事故に対し、県や宜野湾市などは「人命に関わる重大事故につながる」として、日米両政府に強く抗議する考え。沖縄防衛局から県への通報は事故発生から14時間以上がたっており、通報体制を巡っても県は批判を強めている。
宜野湾署によると、落下した水筒の大きさは長さ約30センチ、幅は約15センチで重さは不明。円筒形だったが、落下の衝撃で楕円(だえん)形に形が変わったとみられる。落下した民家の防犯カメラに物体が落下する様子が記録されていた。
米海兵隊によると、23日午後6時45分ごろにオスプレイが普天間飛行場を離陸する際、乗組員が航空機の後方から水筒が落下するのを確認していた。海兵隊は宜野湾市からの問い合わせがあるまで、落下の事実を自ら公表しなかった形だ。
宜野湾市が提供した水筒の写真によると、同飛行場に駐屯する、第262海兵中型ティルトローター飛行隊を指すとみられる「VMM262」と書かれたシールが貼り付けられていた。
沖縄防衛局はオスプレイが飛行中に水筒を落下させたことを認め、米側は「航空機の運用に際し、固定されていない装備は機体内で固定するという既存の手順に従うことの重要性について、再度注意喚起を行った」と説明したという。
宜野湾市は23日夜、市議から和田敬悟副市長に連絡があり事故発生を把握した。24日午前9時ごろ、松川正則市長や和田副市長らが現場を確認し、宜野湾署や沖縄防衛局に通報した。
市によると、事故について米軍からの連絡はなかった。市の通報を受けて防衛局が米側に確認したところ、落下の事実を認めた。