【東京】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事を巡り、沖縄防衛局は7日、沖縄県に提出した設計変更申請が「不承認」とされたことへの対抗措置として、行政不服審査法に基づく審査請求を斉藤鉄夫国土交通相に提出し、不承認の取り消しを求めた。これに対し、玉城デニー知事は「国交相は内閣の一員として辺野古新基地建設を推進する立場で、公平公正な判断を行うのは事実上不可能だ」と政府の対応を批判した上で、県として不承認処分の正当性を主張していく姿勢を示した。
県は11月25日、軟弱地盤の改良工事などのため沖縄防衛局が提出していた設計変更に対し、災害防止への配慮や環境保全措置の検討が不十分だとして、不承認の処分をしていた。
これに対し防衛省は「不承認とされた理由を十分に精査、検討した結果、不承認の処分は取り消されるべきと判断した」として、審査請求に至った理由を示した。行政不服審査法を選択した理由については
「簡易、迅速、公正な手続きで行政庁に対する不服申し立てができる制度が認められており、それにのっとった」と述べた。
防衛局の対抗措置を受け、国と県の対立は法廷闘争に発展していく可能性が高まっている。
審査請求を受けた国交省は、今後の審査経過について「現時点では何も決まっておらず、できるだけ早く(手続きに入る)としかお答えできない」としている。手続きの流れとして「県に沖縄防衛局の審査請求を送達し、処分庁である県に意見を聞くことになる」と説明した。
玉城知事は7日夕に会見し、「(不承認は)公有水面埋立法に基づき適正に判断をした。対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴える」と強調した。(斎藤学まとめ)
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