オミクロン株、沖縄本島中南部で主流に 感染者1週間で26倍、県も「経験ない増え方」


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 沖縄県内の新型コロナウイルスの新規感染者は3日、130人となった。前週比26倍という「これまでに経験がない」(県担当者)増え方で、県は中南部では感染力の強いオミクロン株が主流になったとみる。新変異株の猛威が年明けの沖縄を直撃した形だ。社会活動が再開する4日以降は感染者がさらに増える可能性がある。県は南部の入院待機施設を1月中旬に再稼働させる準備を進めるなど、病床確保を急ぐ。

 県内のコロナ用病床使用数は3日時点で116床となり、昨年12月17日の7床から半月で急速に増加している。

 県によると先んじてデルタ株が流行した北部地域では、12月31日に「医療フェーズ5」に引き上げられた。コロナ用に67床の確保が求められているのに対し、すでに51床が使用中だ。

 現段階では一般医療に影響を及ぼさない範囲では最も厳しいフェーズにあり、次の「緊急フェーズ」に上がると、一般医療に制限が出てくる。

 中南部ではオミクロン株の感染が広がり、病床が急速に埋まる懸念が強まっている。

 オミクロン株の感染者は厚生労働省の事務連絡で個室での入院が求められている。関係者によると個室が足りず、4人部屋を1人で使わざるを得ない事例も想定される。実際に使える病床数は「要請されている(病床の)数字よりも少なくなる可能性がある」と懸念した。

 医療フェーズが上がるごとに確保を求められる病床数が増えるが、県の糸数公医療技監は「(病床数確保の)伸びよりも、患者数の増え方が激しくなっている可能性がある」と危機感を示す。

 県は南部の入院待機施設を今月中旬に再稼働させる。那覇市に整備予定の100床規模の新たな入院待機施設を2月中に稼働できるよう調整を進めている。
 (知念征尚)


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