
沖縄県は2日、2021年12月30日時点で判明していた県内のオミクロン株感染者について、国立感染症研究所が解析した結果を公表した。米軍キャンプ・ハンセンでクラスター(感染者集団)が発生した当時、同基地内には遺伝子レベルで違いのある2種類の株があり、そのうち一つが嘉手納基地や市中感染でも見つかった。県は「時系列で考えると、基地から市中感染へと広がった」と指摘した。
国立感染症研究所は国内の変異株の解析を担う機関。同研究所の解析を基にした県の説明によると、ハンセンでは2種類のオミクロン株が同時流行していた可能性が高い。同基地従業員からは2種類の株が見つかり、それぞれが基地従業員から家族へと広がった。
2種類のうち一つは嘉手納基地の従業員からも見つかり、忘年会や家族内感染で広がった。基地従業員ではない感染者からも同一の株が見つかっており、この株が市中で広がっているとみられる。オミクロン株の市中感染は急拡大していて、県は警戒を強めている。
(稲福政俊)

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