ノーマスク米兵が街へ…複数人で飲食する姿も 知事要請後も「問題ない」 沖縄・金武町


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キャンプ・ハンセンを出てマスクを着用せずに飲食店街を歩く米兵ら=21日午後6時すぎ、金武町金武(ジャン松元撮影)

 【金武】200人規模の新型コロナウイルスの感染が確認された金武町の米軍キャンプ・ハンセン。玉城デニー知事が21日午前、ビアマン四軍調整官に基地内外でマスクを着用するなど感染拡大防止対策の徹底を求めたことを受けてか、隣接する金武町の繁華街「新開地」では同日夕、普段よりもマスク姿の米兵が目立った。一方、マスクをせずに通りを闊歩(かっぽ)したり、バーカウンターで飲食したりする複数の米兵の姿もあった。「また感染が広がったらどうするんだ」とため息をつく飲食店関係者もいた。

複数人、飲食も

 黒い半袖姿の米兵は、薄い紫色のウレタンマスクをしながらキャンプ・ハンセンから出てきた。記者がマスクについて尋ねると「眼鏡も曇るし、面倒だ」と短く返した。新型コロナウイルスの感染がハンセン内で拡大していることを質問すると「詳しくは知らないが基地の外でもマスクをするように部隊に指示された。従うしかない」と語り、足早に去って行った。

 「屋外ではマスクをしていなくても問題ないはずだ」。マスクをせずスマートフォンで音楽を聴きながら歩いていた別の米兵は語気を強め「何も話したくない」と視線をそらした。

 21日は平日だということもあり、クラスターが発覚した先週金曜日と比較し閑散としていた。経営するハンバーガーショップの周辺を歩いていた元海兵隊員のトニー・ボニフィツォさん(54)は「オミクロン株で死者はほぼゼロ。インフルエンザのようなものなのに騒ぎ過ぎだ」とメディアの報道姿勢を疑問視。「この街は基地に頼って生きている。基地外への外出禁止などの措置が取られれば破産する人が多いだろう」と指摘した。

 キャンプ・ハンセン近くでカフェを経営する山川梨香さんによると、クラスター発生後の先週末、往来する人は減ったものの、米軍関係者の来店はあった。山川さんは「マスクや手指消毒はしてくれていた。これ以上感染拡大してほしくない思いはみんな共通だが、店の運営やスタッフのことを考えると、客足が遠のくことにも不安がある」と複雑な思いを語った。 

(松堂秀樹、岩切美穂)


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