「まだ氷山の一角か」「気が緩んでいた」再び活動制限も コロナ急拡大に沖縄県民は 


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家路を急ぐ人たちが行き交う県庁前交差点=5日午後5時24分ごろ(又吉康秀撮影)

 新型コロナウイルスの新規感染者は昨年末からじわじわと増え続け、今月は2日51人、3日130人、4日225人と日を追うごとに倍増し、5日は623人に達した。第5波までとは比較にならないほどの速度で第6波が広がり、県民には驚きと緊張が走った。

 「想像以上に早い。まだ氷山の一角かもしれない」。子どもたちへ将棋を指導している将棋道場代表(51)=宜野湾市=は、感染者数の急拡大に気をもむ。道場は緊急事態宣言などにより、昨年秋ごろまで閉めたり入場制限をしたりしていた。その後は冬でも窓を開けて換気し、将棋の駒を使用後は一つ一つ消毒してきたが「また道場を閉める可能性も出てくる」と肩を落とした。

 本島北部はいち早く感染が拡大した。大学生(19)=名護市=は「対面の授業の方が楽しいが、またオンラインになるかも」とぽつり。市内の子どもの居場所でボランティアをしており「子どもと触れ合う立場なので人一倍気をつけなければいけない」と気を引き締めた。

 宮古島市では2021年12月28日、およそ1カ月半ぶりに感染者が確認され、その後の約1週間で感染者は90人を超えた。市平良の比嘉俊也さん(32)は「感染ゼロが続いていたので、気分が緩んでしまっていた」と話す。県立宮古病院は5日から診療の一部制限を始めた。「爆発的に増え続けたら医療体制はどうなるのか」と心配した。

 那覇市内の児童館で児童厚生員(49)=那覇市=は、児童館でのイベント中止や活動の制限を懸念する。「子どもたちは遊びを通して人間関係の築き方などを学ぶ。子どもたちの成長に影響しないか心配だ」と顔をしかめた。

 豊見城総合公園でウォーキングをしていた女性(81)は「マスクをしていない人や外食をする人が増えてきている印象だ。警戒感が薄れてきているのではないか。感染はまだまだ増えると思う」と心配そうに話した。

(稲福政俊まとめ)
 


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