沖縄米軍の感染突出 10万人当たり4691人 県全体の7.8倍、欧米も上回る 本紙試算


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 12日の在沖米軍基地内の新型コロナウイルス新規感染者は295人に上り、直近1週間の新規感染者数を人口10万人当たりに換算すると4691・3人になることが本紙の試算で分かった。同指標で数値を比較すると、爆発的感染が広がる欧米を上回り、国内最多の感染者が確認されている沖縄県内全域の598・27人の7・84倍、宮古島市の1113・04人と比較しても4・2倍となる。

【ひと目で分かる】沖縄のコロナ感染状況

 直近1週間の在沖米軍の新規感染者数は9日に過去最多の429人に上るなど、合計は2219人に達した。基地内人口は県が発表している2011年6月末現在の在沖米軍の軍人、軍属、家族の合計人数4万7300人と見なし、10万人当たりの数値を計算した。

 厚生労働省検疫所が公表している感染者数が多い国と比較しても在沖米軍基地内の数字は大きい。今月2日までの1週間で、新規感染者数が最多だったのは米国の255万6690人で、人口10万人当たり772・4人だった。2位は英国の110万4316人で同1626・7人、3位はフランスの109万3162人で同1680・8人だった。在沖米軍はフランスの2・8倍となる。

 在沖米軍基地では昨年12月15日以降、キャンプ・ハンセンで沖縄に移動してきた米軍関係者による集団感染が続き、同29日にはオミクロン株の流行が確認された。米軍関係者は米国出国時のPCR検査が義務付けられていたが、昨年9月以降解除されていた。ワクチンを2回接種していれば基地内、基地間移動が可能だったことも判明。感染拡大の一因とみられる。 (仲村良太)

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