倉敷ダムに銃弾やドラム缶…米軍由来の可能性 沖縄県、取水停止し撤去要求


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倉敷ダム湖底から見つかった小銃弾(県提供)

 沖縄県は17日、沖縄市とうるま市にまたがる倉敷ダムの湖内で小銃弾などの不発弾とドラム缶が見つかり、県企業局が14日以降、水道用水の取水を停止していると発表した。倉敷ダムは米軍嘉手納弾薬庫に隣接し、発見地点も基地返還地であることから、県は米軍由来の可能性が高いとして沖縄防衛局にドラム缶の回収や周辺の土壌調査を求めている。

 発表した県河川課によると、7日にダム職員が発見した。貯水率の低下によって湖底の一部が表出したことで見つかった。小銃弾479発、鉛弾159発、ドラム缶二つが確認された。

 小銃弾、鉛弾は陸上自衛隊不発弾処理班が7日のうちに現場確認し、回収した。ドラム缶の中身は、りゅう弾の一部と土などで液体はなかった。爆発等の危険性が低いため現場に残しており、県は取水を止めた上で、防衛局に現場調査と撤去を求めていく。

倉敷ダム湖底から見つかったドラム缶(県提供)

 取水再開はドラム缶などの安全確認後になり、時期は見通せていない。倉敷ダムからは2009年にも小銃弾などが発見されているという。

 公表が17日になった経緯について県河川課は、湖面や発見現場の確認、沖縄防衛局などとの調整を経たためと説明している。他の場所からはドラム缶や銃弾などは発見されなかった。

 倉敷ダムは日本復帰前の1961年に瑞慶山ダムとして設置され、当時は基地内にあった。復帰後、95年までに返還され、96年から県管理のダムとして運用されている。洪水調整機能のほか、中南部7市町村に水道水を供給している北谷浄水場の水源の一つとなっている。

 17日現在の倉敷ダムの貯水率は35・5%で、この時期では異例の低水準になっているという。県河川課の担当者は「水道用水不足分は北部地域からの取水で対応する」としている。
 (塚崎昇平)


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