倉敷ダム不発弾「復帰前、弾薬野積み」 市民、不安拭えず


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倉敷ダム=18日

 沖縄本島中部の7市町村の45万人に水道水を供給する北谷浄水場の水がめである倉敷ダムから、大量の不発弾が見つかったことを受け、住民からは健康や環境への影響を不安視する声が上がった。

▼不発弾は戦時中の米国製だった

 沖縄市民で米軍基地による環境汚染問題に取り組んできた照屋正史さん(65)は「県民の飲料水に関わる問題だ」と強調する。その上で「今問題となっているPFAS(有機フッ素化合物)だけでなく、PCBやダイオキシンなどあらゆる有害物質を調べてほしい。ダムの水質だけでなく蓄積汚染の確認のために底質の調査も必要だ」と述べた。

 PFASの健康への影響を懸念し、北谷町に住民の健康調査を要請している仲宗根由美さん(35)=北谷町=は「今までその水を飲んでいたのか」と驚きを隠せない。調査ではなく偶然見つかったことに対し不信を募らせ「取水を止めただけでは安心できない。ほかにも残っていないのか明らかにしてほしい」と訴えた。

 沖縄市北部の農業関係者でつくる倉敷ダム流域振興促進協議会の池原秀明会長(78)は「復帰前は米軍が造ったダムで、弾薬が野積みにされていた」と証言。復帰に伴い、県企業局に引き渡された際に「しっかりした調査がなされたのか」と疑問を呈した。 (新垣若菜、島袋良太)


 

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