ウクライナの平和、菊に願い込め 売り上げ全額を寄付 農家から無償提供


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売り上げをウクライナ支援につなげようと菊の販売をする、就労支援事業所あいとぴあの(左から)長濱律子さん、富山光枝理事長、徳盛百合子さん =24日、うるま市勝連平安名の同事業所

 【うるま】うるま市勝連平安名の就労支援事業所「あいとぴあ」はロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するため、勝連小近くの事業所前で菊販売を始めている。菊は農家から無償で提供されたもので売り上げは全額ウクライナ救済募金などに寄付する。富山亮施設長は「ウクライナの国旗の色でもある黄色の菊で、少しでも支えになればうれしい」と話した。

 富山さんは市内をドライブ中に、畑一面に咲き乱れる黄色の菊に目を奪われたという。つぼみの状態で県外に出荷する菊は、開花すると廃棄になることを農家から聞き、そのまま譲り受けた。

 「当初は支援とかは関係なく無料で配布しようと思ったが、きれいな黄色を見ていたら、ふとウクライナのことが頭に浮かんだ」と語る。職員らと相談し、人道支援につなげることを決めた。

 戦争では、高齢者や障がい者などの社会的弱者が被害を受けることが多いとして「施設の利用者のこともあり、人ごとではいられない」と強調する。

 販売は4日ほど前から始めた。周辺施設の賛同も受け、すでに多くの支援が寄せられているという。富山さんは「ウクライナを思う心が広がっていってほしい」と思いを込めた。

  (新垣若菜)

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