記念式典後のレセプションで古酒の仕次ぎに続くアトラクションのトップを飾ったのは、琉球舞踊真踊(しんよう)流の宮城幸子(ゆきこ)さん(88)と琉球舞踊重踊(ちょうよう)流の志田房子さん(84)。重厚で華やかな「かぎやで風」を舞った。昨年10月にともに人間国宝に認定されて以降、2人で踊るのは今回が初めてとなった。
宮城さんは、1972年5月15日に那覇市民会館で開かれた新沖縄県発足式典でも、琉舞大賞の受賞者として「浜千鳥」を踊っている。当時の心境について「大きい舞台をどう務めるかに神経を使っていた。那覇市民会館で踊るのはあの時が初めてだった。間の取り方や角度などとても気を遣った」と振り返る。
あれから50年、芸の道を究め続け、人間国宝として再び歴史の節目の舞台を務めた。何度も踊ってきた「かぎやで風」だが、今回は先達が芸能を受け継いできたことに対する感謝や平和への思いなどを込めた。
宮城さんは「50年の節目で踊れたことに感謝している。琉球舞踊を絶やすことなく、次世代までつないでいければ良いと思う」と話した。(中村優希)
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