芸の道を究め…歴史の節目で二度目の舞台 人間国宝の宮城さん「踊れたことに感謝」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄復帰50周年記念式典レセプションで「かぎやで風」を披露する人間国宝の宮城幸子さん(手前右)と志田房子さん(ジャン松元撮影)

 記念式典後のレセプションで古酒の仕次ぎに続くアトラクションのトップを飾ったのは、琉球舞踊真踊(しんよう)流の宮城幸子(ゆきこ)さん(88)と琉球舞踊重踊(ちょうよう)流の志田房子さん(84)。重厚で華やかな「かぎやで風」を舞った。昨年10月にともに人間国宝に認定されて以降、2人で踊るのは今回が初めてとなった。

【写真ドキュメント】復帰50年を迎えた沖縄

 宮城さんは、1972年5月15日に那覇市民会館で開かれた新沖縄県発足式典でも、琉舞大賞の受賞者として「浜千鳥」を踊っている。当時の心境について「大きい舞台をどう務めるかに神経を使っていた。那覇市民会館で踊るのはあの時が初めてだった。間の取り方や角度などとても気を遣った」と振り返る。

 あれから50年、芸の道を究め続け、人間国宝として再び歴史の節目の舞台を務めた。何度も踊ってきた「かぎやで風」だが、今回は先達が芸能を受け継いできたことに対する感謝や平和への思いなどを込めた。

 宮城さんは「50年の節目で踊れたことに感謝している。琉球舞踊を絶やすことなく、次世代までつないでいければ良いと思う」と話した。(中村優希)


【関連記事】

▼沖縄の復帰式典は「お祝い」なのか?主催者の回答は…【WEB限定】

▼「平和で豊かな沖縄へ」知事、辺野古には触れず 復帰50年式典、沖縄と東京2会場で開催 

▼辺野古抗議の声「首相のノートに刻んで」 元山さん、復帰式典沖縄会場周辺でハンスト

▼50年前と見出しが同じ…琉球新報が朝刊1面を復刻「変わらぬ基地」問う

▼沖縄復帰50年「祝えない」思い複雑 式典、あいさつ淡々と