県内政局最大の政治決戦となる知事選の投開票まで3カ月と迫る中、玉城デニー知事が出馬を正式に表明し、「オール沖縄」勢力と自民候補が争う構図が固まった。出馬表明会見で、玉城氏は米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設への反対を、重要な政策課題だと強調。18年の前回選と同様、新基地への賛否を争点化することによって、支持を強固なものとしたい考えだ。
玉城知事は会見の中で、随所でウクライナ侵攻の話題に触れ「平和こそ暮らしの原点だ」と繰り返し、対話を重視する姿勢を示した。県内で基地建設を強行し、防衛力強化の姿勢を強める政権与党との違いを明確にした。4年間の実績も強調し、多様性を重視する自身の政治姿勢も前面に打ち出した。
一方、任期中の4年間で、玉城氏を支援する「オール沖縄」の体制は様変わりし、支えた企業グループの脱退も相次ぐ。直近の首長選挙などでは自民候補に連敗している状況もある。感染症によって県民生活が落ち込む中、オール沖縄が最重要視する「新基地建設反対」を県民が最大の争点として位置付け、同勢力に再び評価を与えるのかが選挙戦の結果を占う分岐点となる。
玉城氏は就任以来、首里城火災や豚熱の発生、軽石問題など、さまざまな難題に直面し、そのたびに時間を掛けて対応に迫られてきた。具体的な政策は後日発表するとしているが、1期目で積み残した課題の解決策や、2期目の新機軸を、どう政策に落とし込むことができるのかが今後の焦点となる。
(池田哲平)
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