不発弾、いまだ1906トン残る 続く撤去作業、生活影響


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 沖縄県のまとめによると、沖縄戦で使用された爆弾や砲弾は約20万トンとされ、約5%に当たる約1万トンが不発弾になったと推定される。2020年度末時点で、約1906トンの不発弾がいまだ地中に埋まったままだ。県は「発見数は(年によって)上下もあり、処理完了の時期は見通せない」としている。

 いまだ残る不発弾は県民生活に影響を及ぼしている。昨年7月、那覇市立病院敷地内で見つかった不発弾を処理した際には、隣接する沖縄都市モノレールが一時運休した。今年2月には沖縄市とうるま市にまたがる倉敷ダムで、戦中のものとみられる米国製不発弾が相次いで見つかり、取水が停止している。

 処理を担当する自衛隊から県に入った報告によると、20年度の処理件数は514件で、処理量は14トン。20年度までのまとめでは、沖縄の日本復帰後に自衛隊が約2094トンを処理した。復帰前には米軍が約2500トン、住民なども約3千トン処理した。陸自第15旅団は「県民の皆さまの安心・安全のため日々任務に精進したい」としている。
 (塚崎昇平)


 1945年の沖縄戦から77年が経った今も、県内には戦没者の遺骨が残され、回収完了の見通しは立っていない。建設工事などに伴い、不発弾が見つかることも少なくない。沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終結したとされる「慰霊の日」を前に、現状をまとめた。(塚崎昇平)


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