沖縄戦戦没者の遺骨、2719体が今も地中に 発見数は減少傾向


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 1945年の沖縄戦から77年が経った今も、県内には戦没者の遺骨が残され、回収完了の見通しは立っていない。建設工事などに伴い、不発弾が見つかることも少なくない。沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終結したとされる「慰霊の日」を前に、現状をまとめた。(塚崎昇平)

 県のまとめによると、2021年度の沖縄戦戦没者の遺骨収集数は49体分(暫定値)となっている。収骨対象となった18万8136体のうち、18万5368体が収骨されたが、2719体分が未収骨で、地中に埋もれたままとなっている。

 近年の収骨数をまとめると17年度に7体で過去最少を記録した。18年度に18体となった以降は2桁台を保っている。

 ただ、長期的な傾向として、16年度に収集体数が100体を下回って以降、3桁台には回復していない。県保護・援護課は「住民やボランティアが遺骨収集を進めてきた中で、遺骨の発見数自体が減少している。見つかりにくい場所に遺骨が残っているのだろう」と分析する。同課は「未収骨の遺骨がある以上、ボランティアの支援などは続けていきたい」と強調した。

 遺骨保全を巡って、沖縄戦激戦地となった本島南部からの採掘土砂に戦没者遺骨が混入する可能性について、県民の間で議論を呼んだ。県は遺骨保全の条例制定に向けて、庁内で検討を進めている。
 (塚崎昇平)


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