【深掘り】知念氏「辺野古反対。翁長前知事の遺志継ぐ」 与党の一部からは不信感も 那覇市長選


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 10月23日投開票の那覇市長選挙を巡り、これまで辺野古新基地建設に関する政治姿勢を明言してこなかった知念覚副市長が、一部与党に辺野古新基地に反対する意向を示している。辺野古新基地に反対する「オール沖縄」勢が擁立した現職の城間幹子市長を支える与党内には、知念氏を推す声がある一方で不信感を抱く者もおり、候補者選考は難航も予想される。野党の自民会派は同党の候補者選考委員会に知念氏を推す方針を示してきたが、選考への影響は必至だ。

(左上)知念覚氏 (右上)翁長雄治氏 (左下)西銘啓史郎氏 (右下)新垣淑豊氏

 知念氏と与党会派「ニライ」の一部市議は14日に面談していた。知念氏は「(『オール沖縄』を誕生させた前知事の)翁長雄志氏の遺志を継ぐ立場だ。辺野古新基地には反対だ」と述べたという。知念氏は20日、取材に対し「コメントできない」とした。

 与党内では「辺野古反対を掲げる城間市長を支えてきたのだから当然だ」との受け止めもあれば、「これまで辺野古反対を明言しなかったのに」と姿勢の「変化」を指摘する声もある。「変化」の背景として、ある与党市議は「知念氏に近い市議が説得したのではないか」と推測。ある自民市議は「自民内で知念氏擁立への異論が出ているからではないか」と話した。

 与党の一部では知念氏への不信感も根強く、翁長前知事の次男・翁長雄治県議への待望論もある。与党市議は「本格的な選考は参院選後になるが、難航しそうだ」と頭を抱えた。

 対する自民は11日に選考委を発足させた。市議会自民会派の奥間亮幹事長は「(知念氏が辺野古に反対しているのが)事実なら、こちらも考えないといけない。選考委で知念氏への確認の場をどう持つか決めた方がいいだろう」と話した。

 自民内には西銘啓史郎県議や新垣淑豊県議を推す声もあり、知念氏の動向を受け、選考に名前が挙がってきそうだ。

(伊佐尚記)


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