24万の名、1500人つなぐ 「平和の礎」礎刻銘者の読み上げ終了


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追加刻銘者55人分の読み上げに聞き入る来場者ら=23日、糸満市の平和祈念公園

 沖縄戦などで犠牲になり「平和の礎」に刻まれた人々の名前を読み上げる「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」(同実行委員会主催)は23日、糸満市の平和祈念公園内で追加刻銘者55人を読み上げた。12日から始まり、1500人以上が参加した。12日間かけ、礎に刻まれた24万人余の名前を読み終えた。

 実行委員として運営に携わった町田直美さん(65)=宜野湾市=は、取り組みが進むにつれ参加希望者が相次ぐなど「輪の広がりを感じた」と振り返る。名簿には亡くなった人の名前だけでなく年齢や亡くなった場所なども書かれており「特に子どもたちには名前の持つ重さや、命とつながっていることをストレートに伝えられた」と感触を語った。「今回の取り組みが、子どもの未来につながるとうれしい」と期待を込めた。

 この日は黙とうが行われたほか、ラップ歌手「Rude-α」(ルードアルファ)さんらが歌を披露し、平和を願った。

 今回の取り組みに参加した久場碧葉さん(16)は「沖縄に送られてきた県外や海外の人も多くいると気付かされた。読んでも読んでも終わらず、多くの人が亡くなったことを実感した」と話す。親族を沖縄戦で亡くし、平和の礎にも祈りをささげてきた。「自分の祖先しか見てこなかったが、これからは違う人にも向けて祈り、学びたい」と話した。 
(知念征尚)

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