沖縄戦跡国定公園内にある糸満市米須の鉱山での土砂採掘計画を巡り、総務省の公害等調整委員会(公調委)が沖縄県と事業者に提示した合意骨子案について、玉城デニー知事は24日、「合意案は(県の)措置命令の内容をおおむね反映している」と述べ、合意案を受け入れる考えを表明した。合意案は、土砂採掘時に沖縄戦戦没者の遺骨が発見された場合は工事を2週間中止して収集することなどを事業者に対して求めているが、土砂採掘自体は認めている。知事が合意案の受け入れを公式に表明したのは初めて。24日の県議会代表質問で西銘純恵氏(共産)に答えた。
米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設で、政府は埋め立てに使用する土砂の採取予定地として、本島南部も対象に計画している。そのため、鉱山の土砂採掘計画を巡り、沖縄戦遺骨収集ボランティアなどの団体は、遺骨が混じる可能性があるとして掘削を認めないよう、県に要請。県は事業者に対して、県から採掘前に遺骨の有無を確認することなどの措置命令を出していた。
玉城知事は、①事業者が掘削予定地の約半分の区画で戦没者遺骨収集センターの調査、収集を実施した②残り半分の区画のうち大半は他の場所から持ち込まれた盛り土である③工事開始後も一定の範囲の工事を一定期間中止する―など合意案で示された項目を説明した。
その上で、玉城知事は「戦没者の遺骨が混入した土砂が、工事や埋め立てなどによって使われることは、先の大戦で亡くなった方々を悼む心を持つウチナーンチュの一人としてあってはならない。県議会で議決された意見なども踏まえ、今後とも、戦没者の遺骨が混入した土砂が使われることのないよう、引き続き戦没者遺族等、県民の心情も踏まえ、適切に対応していく」などと説明した。
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