23日に沖縄全戦没者追悼式が開かれた糸満市摩文仁の平和祈念公園では、一般車両向けの駐車場がすぐ満車になり、園外から歩いてくる高齢者の姿も目立った。3年ぶりに首相が式に出席したことで、警備に当たる警察車両や招待客専用駐車場が昨年より多く確保された。一方、専用駐車場に空きスペースが目立ち、訪れた70代男性は「多くの人が園内駐車場を利用できるよう柔軟に対応してほしい」と訴えた。
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県保護・援護課によると、2019年以前は公園付近に臨時駐車場を設け、送迎のシャトルバスも運行していた。新型コロナウイルスの影響で式典の一般参列がなくなった20年以降は、園内の一部に一般駐車場を残したものの臨時駐車場は設けていなかった。
来訪者の中には、追悼式ではなく平和の礎に手を合わせることを目的とする人も多い。追悼式後には招待客専用駐車場が開放されるが、それまでは多くの車両が駐車スペースを探して徐行している様子もあった。
昨年がんを患い、障がいのある今帰仁村の70代女性は園内の障がい者専用駐車場も満車だったため、炎天下、園外で降り歩いて礎を訪れた。県に対し「高齢者や障がい者に配慮して駐車場を増やしてほしい」と訴えた。
追悼式直前の午前11時半時点で、招待客専用駐車場は少なくとも30台分が空いていた。理由について、県の担当者は「精査はできていないが、乗り合いに協力していただいた人も多かったと思う」と答えた。
慰霊の日の同公園は常に駐車場不足が課題となる。新型コロナに関する行動制限のない今年は昨年より来訪者が増え、式典後も混雑したという。県担当者は「来年への課題だが、新型コロナが収束すれば従来通り臨時駐車場を確保できる。ただ、スペースに限りがあるので混む時間を避けることも検討してほしい」と話した。(嘉陽拓也まとめ)
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