沖縄コロナ3565人、救急受診5時間待ちも 八重山では病床使用95%(7月15日朝)


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 沖縄県は14日、新型コロナウイルスに3565人が感染したと発表した。3日連続で3千人を超え、最多更新が続く。県全体の病床使用率は60・6%で、八重山圏域では95・5%と危機的な状況となった。県病院事業局の我那覇仁局長らは14日、県庁で記者会見し、新型コロナの急速な感染拡大を受けて県立病院の救急医療が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとして、救急医療を守るための県民向けのメッセージを出した。救急の受診までに5時間かかる状況もあるという。

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 病院事業局によると、精神科の県立精和病院を除く県立5病院で1~8日の8日間に3159人が救急を受診した。同期間の1日平均受診者数は394人で、昨年1年間の1日平均200人の約2倍だった。16~18日の三連休は受診者の増加が見込まれるという。

 救急受診者の増加に加え、新型コロナの感染や濃厚接触などにより県立病院で休業中の医療従事者は、7月13日時点で過去2番目に多い206人となっている。8月は新型コロナの感染者がピークを迎え、救急医療の逼迫が想定されるという。

 メッセージは(1)体調が悪くなったら、日中早めにかかりつけ医を受診する(2)発熱がある場合は、まずは発熱外来のあるクリニックを受診する(3)小児救急電話相談♯8000を利用する(4)PCR検査のための救急室受診を控える(5)ワクチン接種を積極的に受ける―の五つを求めた。

 我那覇局長は「医療従事者が疲弊し、県立病院の医療提供体制に大きく影響することが懸念される」と述べ、危機感を強めた。

 (稲福政俊)

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