新型コロナウイルスの沖縄県内での感染は、2020年、21年いずれも人の移動が活発になり、交流が増える夏場にピークとなっている。22年は7月12日までの感染者の合計が、すでに21年8月の合計を上回っており、かつてない規模の流行を迎える恐れがある。
20年は7月下旬から8月にかけて感染が拡大し、8月にピークとなった。県外からの移入例もあり、松山や久茂地など夜の街を起点にクラスター(感染者集団)が発生。高齢者施設や医療機関でのクラスターも確認され、8月の合計の感染者数は1698人に上った。最多は8月9日の159人だった。
21年も8月がピークとなり、8月の感染者数は1万7866人だった。最も多かったのは8月25日の805人。旧盆で親族が集まり、会食の機会が増えたことも指摘された。政府が出した沖縄県の緊急事態宣言は5月下旬から9月まで約4カ月間に及び、自粛疲れを指摘する声も上がった。
県内では若い世代から家庭内や高齢者へと感染が広がるパターンを繰り返してきた。今年は4月以降は10代以下や子育て世代など幅広い年代に広がり、感染が高止まりしている。このまま夏のピークを迎えると、流行はかつてない規模になるとみられる。
専門家は人が集まる場所でのマスク着用や閉鎖された空間での密集を避けること、飲み会の頻度を減らすなど対策を呼び掛けている。
(中村万里子)
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