熱中症や飲酒絡みも…沖縄で救急搬送が増加、社会・経済活動再開で 「数の暴力続く」医療圧迫で現場は疲弊


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 コロナ禍の中で社会経済活動の再開に動き出した4月以降、県内では救急搬送者が増加している。6月20~26日(第13週)の救急搬送者は1685人で、同時期の比較では2021年度より393件増、20年度より445件増、コロナ禍前の19年度よりも115件増となった。データをまとめた県コロナ対策本部の医療コーディネーター・佐々木秀章医師は「感染者が増え続けると医療へのフリーアクセスが厳しくなると考えてほしい」と警鐘を鳴らした。

 佐々木医師によると、救急搬送が増えた背景には従来の件数に加え、社会経済活動の再開により、けがや病気などの一般傷病者が増加しており、熱中症が疑われる症例や飲酒絡みの搬送が増加していることがあるとみられる。

 搬送者の増加も併せて重点医療機関はすでに「多重苦」の状態だ。佐々木医師によると、一般病床使用率が95%を超えると「緊急患者の受け入れが難しい状態」だが、5日は県全体で97%となっており、入院の受け入れを「要相談」とする医療機関も少なくない。

 さらに、感染などで欠勤する医療従事者は400人を超えており、現場は機動力不足に陥っている。

 県内各地の救急救命センターでは5月の大型連休以降、受診者の増加が続いており、他診療科の医師の応援も充てているが、コロナ病床使用率が40%台にとどまることを理由に「なぜ入院できないのか」と憤る人もいるという。窮状が県民に伝わっていない現状に、佐々木医師は「必死で働く医療者の心がすり減っている」と語った。県対策本部は今後の感染拡大を懸念している。佐々木医師は「ウイルスは弱毒化したと言われるが“数の暴力”が続いている。大切な人が必要な医療を受けられるよう、日頃の感染対策に加えて、薬を常備して適正な受診をお願いしたい」と強く呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)


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