沖縄、感染止まらぬ勢い、コロナ「拡大警報」 病床使用6割迫る、医療欠勤500人超 玉城知事、派生型に強い警戒感


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 11日の新型コロナウイルスの新規感染者は943人となった。通常は減少する月曜日だが、5月の大型連休後に急増した千人超に迫る勢いとなっている。直近1週間の新規感染者の前週比も急増して1.48倍となった。同日、本島圏域と八重山圏域に「コロナ感染拡大警報」を出した玉城デニー知事は、オミクロン株派生型「BA5」の置き換わりが進むことで「感染者数は倍の倍の倍という伸びを見せるかもしれない」と強い警戒感を示すとともに、県民に感染対策の徹底を呼び掛けた。

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 新型コロナの入院患者は361人で県全体の病床使用率は56.1%となり、県が行動制限を検討する指標の6割に迫っている。コロナ以外の一般病床使用率も県全体で95.8%と高止まりが続く中、重点医療機関では感染などで欠勤する医療者も増加が止まらず、512人となった。500人を超えるのは5月27日以来だ。

 医療提供体制が厳しさを増す現状を受け、玉城知事は11日の会見で、日中の発熱外来利用や救急車の適正利用とともに、「急な子どもの病気で対応に迷う場合は小児救急電話相談『♯8000』に相談してほしい」と呼び掛けた。また、自身が感染した経験を踏まえて「自宅に飲み薬を常備しておくことを勧めたい」と述べた。

 社会福祉施設でも流行は続いており、同日時点で県が支援に入っている社会福祉施設は111カ所だった。施設内療養者は計355人で、内訳は高齢者施設334人、障がい者施設21人。酸素投与を受けている患者は7人で全て高齢者施設だった。

 米軍関係の感染は23人だった。
 (嘉陽拓也)

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