【安倍氏国葬】「これまでの功績評価」「沖縄政策で県内を二分」沖縄選出の関係議員ら賛否 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】岸田文雄首相が14日の会見で、安倍晋三首相の国葬を実施すると発表したことを受け、県選出・関係議員は「これまでの功績を評価した上での政府判断だろう」「県民を置き去りにした面も否定できない」など、さまざまな反応を示した。

 自民党の宮崎政久衆院議員は「憲政史上最長の在任期間に加え、経済対策や外交などで大変な成果を上げられた。これまでの功績を評価した上での政府判断だろう。多くの国民に慕われていたこともお通夜、告別式の様子からうかがい知れる」とした。

 公明党の金城泰邦衆院議員も、「遊説中に凶弾に倒れられた経緯もあり、岸田首相には民主主義を守る決意を示すという強い思いがあるのだろう。自民党本部の献花式には悪天候の中で多くの国民が参加した。それほど高い評価を受けた方だと改めて感じた」と肯定的に捉えた。

 共産党の赤嶺政賢衆院議員は「凶弾に倒れた安倍元首相にはこれまでも哀悼の意を表してきた。ただ、岸田首相は国葬の理由に、安倍元首相の日米関係を基軸とした外交の実績を強調している。ここには辺野古新基地建設問題も含まれる。県内の民意と対立し、国論も二分した外交政策を成果とし、国葬の理由とすることには強い違和感を感じる」とした。

 社民党の新垣邦男衆院議員は「国葬自体を否定するものではないが、歴代首相との扱いの違いはどうなるのか。政治的判断が介在したと国民に疑問を抱かせてはいけない。納得できる基準を示すべきだ」と違和感を示した。

 沖縄の風の高良鉄美参院議員も「衝撃的な事件で、ご冥福をお祈りする気持ちはある。ただ、政治家としての実績では、功績として評価される部分もある一方で、沖縄政策に限ると県民を置き去りにした面も否定できない。他の元首相の立場も考慮するべきだ」と指摘した。
 (安里洋輔)

【安倍氏国葬】沖縄県内では疑問の声、賛否の反応さまざま

【安倍氏国葬】玉城知事「追悼の思い理解できる」 党本部の献花台に市民の列絶えない光景も目に

【識者談話】安倍氏国葬「沖縄抜きの政治」の現れ 小林武氏(沖縄大学客員教授)

▼国葬に「違和感」「複雑な思いある」沖縄の平和運動関係者や沖縄戦体験者の声 安倍氏死去