「あちこーこー」島豆腐ピンチ続く 衛生管理厳格化1年 生産量が減少、パック売りに転換も 大豆価格高騰が業者に追い打ち


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あちこーこーのゆし豆腐を選ぶ人=6月、糸満市西崎町のファーマーズマーケットいとまんうまんちゅ市場

 沖縄県民から愛され続ける「あちこーこーの島豆腐」。昨年6月に国際的な衛生管理基準HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務付けられ、温かい島豆腐の管理方法が厳しくなった。管理の厳格化から1年。対応が難しい島豆腐業者が廃業したり、生産量が減少したりした影響で、小売店に並ぶあちこーこー島豆腐の数が減っている。大豆価格の高騰もあり、根強い人気の裏で、値上げせざるを得ず、島豆腐業界は厳しい状況に直面している。

 温かい島豆腐はハサップ適用で納品時の温度を55度以上に保つ必要がある。納品後に55度を下回り始めると、3時間以内に消費するか、冷蔵保存に切り替えることが必要となっている。

 豆腐業者の中には、納品時の温度管理に対応できず生産量を減らしたり、温かい島豆腐の生産をやめ、パック売りに特化したところも。ハサップ適用以降、売り場に並ぶ数量は約2割減ったという大手スーパーのサンエーの担当者は「お客さんの需要は変わらずあるが、豆腐の数は昨年から減ったままだ」と話した。

(中村優希)


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