沖縄県は28日、新たに10歳未満から90歳以上の5442人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県全体の病床使用率は85・5%に上昇した。玉城デニー知事は同日、県庁で記者会見し「心臓発作やけがなどで病院に運ばれても、すぐには入院ができないこと、予定していた検査や手術が延期されることなどが想定されるほど、医療逼迫(ひっぱく)が進んでいる」と危機感を強調した。
圏域別の病床使用率は本島92・9%、宮古33・3%、八重山63・3%。入院調整が困難になっていることから、県は国などから看護師の派遣を受け、入院待機ステーションを拡充する。8月1日から1日最大30人の派遣を受け、病床数を現状の31床から75床に増やす。
福祉施設内での感染者も増加しており、高齢者や障がい者の施設内で療養中の患者は過去最多の1505人になった。県が支援に入る施設数も過去最多の211施設となった。感染や濃厚接触などで欠勤している重点医療機関の医療従事者は28日時点で1199人だった。8日連続千人を超えている。
県病院事業局は県立北部病院と精和病院のクラスター(感染者集団)が拡大していることも発表した。北部病院は病棟が違う2件のクラスターがあり、そのうち1件は新たに17人の感染が判明。感染者は計29人に拡大し、患者1人が死亡した。
(稲福政俊)
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