沖縄、サル痘の問い合わせなど相次ぐ 医師ら県に迅速な対策を要望


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 沖縄県は欧米を中心に感染拡大が続いている動物由来のウイルス感染症「サル痘」に関する研修会を7月29日にオンラインで開いた。すでに県感染症診療ネットワークコーディネーターの元には、感染が疑われる場合の県内の受診先やプライバシーの保護などについて問い合わせが相次いでいることから、医師からは県に対して迅速に対策を講じるよう求める声が上がった。

 登壇した琉球大学病院の仲村秀太医師によると、感染経路は感染した人の皮膚や体液、血液に触れたり、患者と近くで対面し、マスク着用なしで長時間の飛沫(ひまつ)にさらされたりした時、また患者が使用した寝具類に触れた場合などがある。

 今回の海外での流行では、陰部や肛門部、四肢などへの急性発疹と発熱などの全身症状が特徴。だが全身症状がなかったり、発疹が一つしかなかったりする場合もあることから、現時点では過去21日以内のサル痘発生国への海外渡航歴が診断の手がかりの一つとなる。ほとんどが軽症で、対症療法のみで2~4週間のうちに治癒するが、発疹の痛みのため入院が必要になる場合もある。

 7月21日の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の報告では欧米16カ国の528症例のうち男性が99%で、このうちゲイやバイセクシュアルを自認する割合は98%を占める。だが女性や子どもの症例もあることから、仲村医師は「必ずしも性的な接触や特定のグループに限った問題ではない」と注意喚起した。また「患者のプライバシーを保障することが受診控えを防ぐためにも重要だ」と指摘、感染が疑われる人が受診しやすい環境づくりを県に求めた。

(嶋岡すみれ)

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