ちむどんどん第93話では、房子(原田美枝子)の助言のかいもあり、賢秀(竜星涼)が自分のやっていることが「ねずみ講」という犯罪だと気付きます。座元の黒岩(木村了)のもとに殴り込む賢秀でしたが、あえなく返り討ちとなります。暢子(黒島結菜)は、捕らえられた賢秀を解放してもらうため、沖縄料理店の開店資金200万円を持って、黒岩のもとへ向かったのでした。
全国でも被害相談があるねずみ講ですが、復帰したばかりの沖縄では「経済研究会」を名乗る団体によるねずみ講事件がありました。「一口10万円の入会金が、即日もしくは1週間後には16万円になる」などの売り文句で急速に会員を広げていましたが、1976年3月6日、県警が出資法違反の疑いで沖縄県内の計11カ所を家宅捜索しました。その時点で、7千万円以上の現金や、額面2億6千万円余の通帳が押収されています。この事件を巡っては、複数の出資者が一日のうちに大量に現金を引き出し、ある金融機関の支店は本店から急きょ現金を輸送するなど、金融機関にも影響を及ぼしたことが報道されています。
同年3月12日に県警は特別捜査本部を設置し捜査にあたり、後に20人近くを事件送致しました。当時の特別捜査本部の発表によると、判明しただけで入会者7150人、預かり金額75億9千万円、運営資金18億9千万円という大がかりなものでした。