ちむどんどん第109話では、暢子(黒島結菜)の店「ちむどんどん」で働く矢作(井之脇海)が、前の職場の同僚から引き抜きに合います。同じ頃、暢子の店のお金がなくなり、食い逃げをした「前科」のある矢作が疑われます。暢子は、矢作の心根の良さを信じ、疑いの声を懸命に打ち消します。暢子の誠実な姿に心打たれた矢作は、ちむどんどんで働き続けることを決心したのでした。109話の最後には、沖縄から母・優子(仲間由紀恵)と良子(川口春奈)が店にやってくるサプライズが待っていました。
「ちむどんどん」と鶴見の居酒屋「あまゆ」の店内、沖縄の「比嘉家」では、軒下から見える柱にそれぞれ同じものがぶら下げられていますが、お気づきでしょうか。三つの家に共通してあるもの、正解は「クバ(ビロー、アジマサ)のうちわ」です。
クバは、神さまが伝って天地を昇り降りする神聖な植物とされ、沖縄では御嶽と呼ばれる場所に多く生えています。用途が豊富なため、かつては各家々にも植えられていたようです。クバの幹は家屋の材料や、三線の棹、六尺棒などに用いられ、葉柄は機(はた)の道具、葉はうちわやひしゃくなど、多様なものに利用されました。それだけクバは沖縄の人々の生活に身近にあった植物でした。