【ちむどんどん第113話】絶滅寸前だったアグー 朝ドラ「ちむどんどん」キーワード集【ネタバレ注意】


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アグー

 ちむどんどん第113話では、賢秀(竜星涼)が清恵(佐津川愛美)を千葉の養豚場に連れ帰ることに成功します。賢秀が働く養豚場のブタを使うことで、暢子の店の看板メニューとなる沖縄そばの味も決まり、一同は意気揚々と営業再開の日を見据えるのでした。「沖縄のブタ」といえば現在、沖縄在来種(琉球種)の「アグー(アーグー)」が広く知られています。しかし、暢子たちの時代(1979年)はアグーは絶滅寸前でした。

 アグーは、粗い黒毛に顔は面長なブタです。14世紀末に中国から連れてこられたといわれています。アグーは小型で産子数が少なかったこともあり、明治時代にバークシャー(英国原産の黒豚)との掛け合わせで改良され、雑種化が進み、昭和初期にはほとんど見られなくなりました。1980年代半ばに沖縄県立北部農林高校を中心に、アグーの血を継ぐ雑種を集め、戻し交配を繰り返して原種に近づけたのが現在のアグーです。一般の販売が始まったのは1997年5月で、JAおきなわ関連の大型店でのみ取り扱われました。

 アグーは頭数が少ないため、アグー同士で交配をすると、体の弱い子豚が生まれます。そのため、現在流通しているアグーの肉の多くは、西洋豚との掛け合わせです。JAおきなわでは、「アグーのお父さんと、西洋豚のお母さんから生まれたお肉」を「あぐー」とひらがなで表記し、種豚の「アグー」と使い分けています。


>>【まとめ】ちむどんどんキーワード集

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