【東京】金武町伊芸区の民家で7月7日に銃弾内部の弾芯が見つかった件で、沖縄防衛局は発見当日の夜に職員の目視による確認で「さびのようなものが見て取れる」と報道発表していたが、弾芯を精査せずに「さびのようなもの」と公表していたことが13日、明らかになった。参院外交防衛委員会で、伊波洋一氏の質疑に警察庁の大賀真一刑事局長が答えた。
弾芯は、県警が7月7日に押収し、同29日に鑑定結果を発表していた。
大賀氏によると、県警の捜査員は、同7日午後4時10分に住民の通報を受けて現場に到着。同日午後6時20分ごろまで捜査に当たった。沖縄防衛局、米軍それぞれの関係者は、現場の捜査に立ち会わず、県警から押収物の照会を受けることもなかったという。
沖縄防衛局は同日午後9時10分ごろ「当該銃弾にはさびのようなものが見て取れる」と報道陣に公表。翌8日午後7時55分ごろには、在沖米海兵隊が、防衛局を通して銃芯が「古く腐食した」もので「どの火器からも発射されたはずがない」として関与を否定する声明を発表していた。
一方、防衛省の深沢雅貴地方協力局長は同7日の報道発表までの経緯について、沖縄防衛局職員を現地に派遣し、金武町役場職員と共に「目視にて状況を確認し、写真を撮影した」としている。
伊波氏は、沖縄防衛局や米軍の確認が十分でなかったとし「勝手な憶測を公式に発表することは不適切ではないか」と指摘。鑑定の詳細を明かすよう求めた。大賀氏は、捜査が継続中であるとし「詳細については回答を差し控えたい」と述べるにとどめた。(安里洋輔)
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