那覇空港ビル黒字へ 22年度 3年ぶり客数上方修正 旅行支援など喚起策も影響 


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 那覇空港ターミナルビルを運営する那覇空港ビルディング(NABCO、安里昌利社長)は18日、2022年度の那覇空港発着の国内乗降客数が1400万人に上る見込みで、今年度の決算は3年ぶりに黒字になるという予想を発表した。

 乗降客数は往復で2人とカウントするので、実際の旅客数は半数ほどとなる。計画の策定段階では年1250万人を見込んでいたが、8月に予想を約20万人上回る約150万人の乗降客数を記録したことや、行動制限がなかったこと、全国旅行支援などの観光需要喚起策の影響もあり上方修正した。

 新型コロナウイルス拡大前の19年の国内乗降客数は1746万人、国外は314万人だった。過去2年間は国際線が就航していなかったため国内客のみで、20年は659万人、21年は799万人だった。国際線の就航路線などが定まらないことから、今年度の国外乗降客数は予測が不可能だとして計算に入れていない。

 19年度決算は26億円の純利益だったが、コロナ禍を受けて20年度は16億円の純損失、21年度は13億円の純損失と2年連続で赤字を計上した。今年度は、電気料金の値上げなど光熱費高騰の影響を受けているが、需要の回復によって約5億円の黒字になると予想した。

 安里社長は「国内97の空港のうち、滑走路が2つあるのは那覇空港などわずかしかない。滑走路の長さなどの恵まれた環境を活かして乗客数と就航路線数を増やし、世界の拠点空港となりたい」と語り「まずは福岡空港に肩を並べるのが目標だ」と意気込んだ。

 飲食やお土産品の新規店舗が多くオープンしたことや、首里城復興応援広場や空港ピアノの設置も合わせて紹介した。安里社長は「県民も那覇空港に気軽に遊びに来られるように、これからイベントなどを積極的に実施していきたい」と話した。

 (與那覇智早)

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