米軍嘉手納基地に配備されるF15戦闘機を退役させる米軍の方針を巡り、米空軍や防衛省は28日、嘉手納に常駐する54機のF15を約2年かけて次期後継機に更新する方向性を示し、数週間以内に十数機を米本国に戻す作業を始めると発表した。退役作業の開始に伴って11月から半年ごとに、米本国の基地からF22を嘉手納基地に暫定的に配備する。一方、後継機の機種などは明らかにしていない。
【ニュースの初報】米軍嘉手納基地のF15戦闘機、来年54機が退役
琉球新報の質問に沖縄防衛局は「一部がより能力の高いF22戦闘機に入れ替わることで日米同盟の抑止力・対処力は強化させると説明があった」と回答。ローテーション方式によるF22配備は常駐機が新たな機種に入れ替わるまでの暫定措置だとして、抑止力の低下にはならないとの見解を示した。
一方、一時的には嘉手納基地で戦闘機の数が増える可能性があるとしており、周辺住民の負担が増す恐れがある。防衛省は夜間・早朝を避けるなど騒音規制措置を守ることや、一時的に戦闘機数が増える期間を短縮することなどを米側に申し入れたと説明した。
米空軍が政府側に示した計画案では、嘉手納基地に常駐する2飛行隊の48機と予備機6機の計54機のF15について、約2年かけて順次、新たな機体に更新するという。第1弾として数週間後に十数機を本国に戻す。
米太平洋空軍のウィルスバック司令官は今年3月、日本に配備しているF15C戦闘機の老朽化を指摘し、次期機であるF15EXへの更新を目指していると話していた。ただ、米空軍はF15EXの調達数を2023会計年度に当初予定の144機から80機へ大幅に減らしており、嘉手納常駐機の更新に影響する可能性もある。 (安里洋輔、明真南斗)
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