「米国初の県系知事に誇り」ハワイのイゲ知事が沖縄県議会で演説 思いやりの心「マラマ」を訴え 世界のウチナーンチュ大会参加で来県


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演説するハワイ州のイゲ知事=31日、沖縄県議会

 第7回世界のウチナーンチュ大会に合わせて来県中の米ハワイ州知事で、県系3世のデービッド・イゲ氏が31日午後、県議会議場で演説した。イゲ氏は「日米関係、ハワイと沖縄の関係は太平洋地域の平和、法治、民主主義に関して非常に重要な関係だ」と述べ、今後の関係の深化に意欲を示した。沖縄とハワイとの人的交流の積み重ねや経済、再生エネルギー分野などにおける協力関係に触れ「米国初の県系知事となったことを誇りに思う」と述べた。
 イゲ氏は新型コロナウイルス禍におけるハワイ州の施策を紹介し、主要産業の観光業が急速に回復している現状を説明した。今後100年のハワイの未来を見据えて、思いやりの心を示す「マラマ」の価値観を世界中に広めることが重要だと強調。地域社会や地球に対するマラマの精神を共有できる存在だとして日本への感謝と関係の深まりに期待を寄せた。
 赤嶺昇議長ら県議会議員、玉城デニー知事ら県幹部が議場に集まったほか、イゲ氏のルーツがある西原町や町議会関係者らも駆け付け、傍聴席でイゲ氏の演説を聴いた。
 赤嶺議長は冒頭のあいさつで、沖縄戦後に食糧難に苦しむ県民のためにハワイの県系人が豚やヤギを沖縄に送るなどの歴史を紹介し「ハワイの県系人をはじめ、沖縄への支援をしてきた世界のウチナーンチュの皆さまに心より御礼申し上げる」と感謝の言葉を述べた。
 海外の要人が県議会で演説するのは、1984年のジョージ有吉ハワイ州知事(当時)以来、38年ぶり。イゲ氏の演説は沖縄とハワイの深い関係性などを踏まえて、特例で認められた。

沖縄県議会で演説するハワイ州のイゲ知事=31日、沖縄県議会

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