琉球キングスのコー・フリッピン選手「ウチナーンチュであることが僕の誇り」 母の故郷・沖縄でバスケ通し子どもたちに伝えたいこと 世界のウチナーンチュ大会前に本紙にメッセージ


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「ウチナーンチュであることが僕の誇り」とルーツを大切にしていることについてメッセージを寄せた琉球ゴールデンキングスのコー・フリッピン選手(家族提供)

「ハイサイ、ユタシクウニゲーサビラ」―。バスケットボールBリーグ琉球ゴールデンキングスで活躍するコー・フリッピン選手は、試合後のインタビューをウチナーグチのあいさつから始める。コー選手は、母が沖縄出身で、自身もウチナーンチュであるというアイデンティティに誇りを持ち、沖縄でプレーできることに喜びを感じているという。

31日から沖縄では、世界中から沖縄にルーツを持つ人々が集まる「第7回世界のウチナーンチュ大会」が行われる。大会にちなみ、コー選手が家族を通して本紙にメッセージを寄せた。 メッセージでコー選手は「ウチナーンチュであることが僕の誇り。僕がいま身につけている知識や機会は、祖先が懸命に努力し、道を開いてくれたからあるものだ」と記し、自身のルーツを大切にしていることを明かした。

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何度も「里帰り」 首里城の思い出も

コー選手は、アメリカで生まれ育ったが、子どもの頃から「第二の故郷」である沖縄には何度も里帰りで訪れてきた。母から、沖縄の歴史や沖縄戦、米軍基地問題についての話も聞かされて育った。沖縄に来ると祖父に連れられて首里城にも何度も遊びに行った。

アメリカでの少年時代はバスケに明け暮れた。日本でプレーすることになり、千葉ジェッツでリーグ制覇にも貢献した。キングスには2021―22シーズンから加入。試合では、持ち前の運動能力の高さをいかしダンクシュートを決めるなど観客を魅了し続けている。来年に沖縄で開催されるワールドカップに向けて行われるアジア地区の合宿参加メンバーにも選ばれ、代表選出にも期待がかかっている。

祖父や兄と首里城を訪れた子ども時代のフリッピン選手=2006年(家族提供)

1勝1勝を沖縄の人々と勝ち上がりたい

沖縄にキングスというチームがあるのは子どものころから知っていた。キングスに移ろうと決めたのは、自分のルーツである沖縄で、1勝1勝を勝ち上がり沖縄の人々とともに優勝する喜びを共有したいと思ったからだ。

琉球―新潟戦の第4クオーターでダンクシュートを決めるキングスのコー・フリッピン選手=10月16日、沖縄市の沖縄アリーナ(喜瀨守昭撮影)

試合後のインタビューは、「ハイサイ、ユタシクウニゲーサビラ」のあいさつから始める。母から教わった言葉だ。好きな言葉は「マクトゥソーケーナンクルナイサー」。子どもたちとの交流では、ウチナーンチュである誇りを共有し、地道な努力を続ける大切さを伝え、励ましている。

ファンには「コーちゃん」「コーくん」と呼ばれて親しまれ、自身のインスタグラムには昨シーズンを終えた感想の末尾を「にふぇーでーびる」と締めくくった。

世界のウチナーンチュ大会に際し、コー選手は「僕たちが持つ知識と経験を共有し、次世代の人々が世界中で新しい冒険に挑戦できるようにすることが、僕たちの責任だと思う」と決意を新たにした。

(慶田城七瀬)

コー・フリッピン選手のメッセージ全文は下記の通り。

ウチナーンチュであることは僕の誇りであり、いつもその誇りを持って行動しています。僕が今、身につけている知識や機会は、僕の祖先が懸命に努力し、道を開いてくれたからあるものです。子供の頃は気づきませんでしたが、祖先の努力の上に、今の自分があるのだと今は理解できます。僕たちが持つ知識と経験を共有し、次世代が世界中で新しい冒険に挑戦できるようにすること。それが僕たちの責任だと思っています。

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