50年後へ今できることは?琉球新報とNHKが那覇で復帰50年シンポジウム 島袋寛子さん、斎藤幸平さんら登壇


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活発な意見が交わされたシンポジウム「50年後の沖縄へ ~守るべきもの・変えたいこと~」=21日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(小川昌宏撮影)

 琉球新報社とNHK沖縄放送局は21日、沖縄の日本復帰50年を記念したシンポジウム「50年後の沖縄へ 守るべきもの・変えたいこと」を那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催した。文化や自然など、未来の沖縄に残したいものを確認し、現状の課題や実現に向けて取り組むべきことを議論した。

 登壇者は、まちづくりファシリテーターの石垣綾音氏、上間フードアンドライフ社長の上間園子氏、東京大准教授の斎藤幸平氏、歌手の島袋寛子氏、レキサス社長の比屋根隆氏。石垣氏は「貧困が解消した先の豊かさとは何か」と問題提起。沖縄の人が沖縄を知る環境づくりを訴えた。上間氏は、沖縄らしさを守ると同時に、成長の大切さも説き「チャレンジするウチナーンチュ」を掲げた。

 斎藤氏は「ゆいまーるをベースにして地場産業を活性化すれば、日本の最先端モデルになれる」と指摘。基地や大資本から自治を取り戻す必要性も強調した。島袋氏は厳しい生活環境で歌手を目指した幼少期を振り返り「子どもが笑顔でのびのびと暮らせる沖縄であってほしい」と願った。比屋根氏は若者をシリコンバレーに送り出す取り組みを紹介。県民自らが起業家を支援する仕組みづくりを提案した。 (稲福政俊)


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